開催にあたってご挨拶

大会長


齋木 佳克
(東北大学大学院医学系研究科 心臓血管外科学分野 教授)

一般社団法人 日本心筋保護研究会 理事

ご挨拶。写真

 2024年9月28日(土)に、青葉山公園 仙臺緑彩館において第5回日本心筋保護研究会学術集会を開催させていただくこととなりました。時代の要請に応えてかつての日本心筋保護研究会が一般社団法人日本心筋保護研究会として再設立され、大きく発展を遂げつつあります。本学術団体の中心的活動である学術集会を担当させていただきますことを心より光栄に存じております。
 心筋保護学は、心臓大血管手術発達の歴史の中で、手術成立のための補助手段の根幹を成してきた学問であり、まさに命を救う学問です。心臓大血管手術に携わる誰もが習熟し、その応用に長けていることが求められる領域です。しかしながら、ある一定レベルまで進歩が得られ、実臨床において合格点を取れる程度の方法論と手法が浸透すると、衆目を集めなくなる傾向を否めませんでした。ルーチン化された定型的な医療行為の一部として溶け込むことは、成熟過程の一様式でありますが、最良の結果をもたらすためのプロフェッショナリズムの追求熱が不十分となる側面を帯びます。
 そのような観点から今回の学術集会のテーマを、「心筋保護の飽くなき探求」と掲げました。これは一部の専門家が心筋保護求道者として努力する様態を表すのではなく、治療の不成功を前提としていない、医療に対する社会的要求レベルの高まりに対応するためには、絶えず心筋保護に関する正しく深い理解を涵養してゆく必要がある、との思いの表現です。同様に医療安全についての国民的意識の高まりが浸透し、医療の質評価が科学的に遂行される時代にあって、心筋保護法の重要性を常に再認識する必要性を謳っています。
 本学術集会では、常日頃の基礎・臨床研究の成果発表と議論の場を提供すること、また、専門化された心筋保護の領域に関して、当該分野のエキスパートから学びを得ることが企図されています。その開催にあたりましては、関係スタッフ一同、準備に鋭意努力しているところであり、このような機会に関連各社との共催事業を開催し、産学いずれにとりましても、より有意義な会となるよう企画しております。
 皆様のご参加を心よりお待ちしております。

2024年5月吉日